時は2021年3月。
川崎玩具会の影響1で自分も3Dプリンターを購入してCADを学びはじめた。
その勉強の一環として、「ビー玉の素早い補充に特化した小型のショートサーバーを作ってみました」。

クイックドロウサーバー
製作背景
CADの入門によさげ(?)
3DCADの基本的な造形の一つ、軸を中心に回した形状を作る「回転押し出し」機能。
機能を知ったときに『これ使えばサーバーが簡単に作れそう』と思ったのが開発の発端。
まずはシンプルな形状で試作。
まだ3Dプリンターに慣れていなかったのでサポート材とかも試したかった。
そうして出来上がったのがこれ。

サポート材とかの実験も兼ねて作ったペットボトルマガジン用ショートサーバーが出来上がり。寝てる間に工作進むの凄すぎる… pic.twitter.com/P5eCv8XafR
— かたかけ ほうじ(ほうじ茶) (@toastedtea) March 5, 2021
これくらいの形状ならそれっぽいカーブを描いて軸を中心に回すだけなので本当に簡単に作れる。(ペットボトルのジョイント形状は現物から採寸2)
高性能なサーバーを作りたい
サーバーっぽいものが作れることがわかったら
と思ってしまうのが人の性。
当時の高性能なサーバーといえば、オランジーナ500mlのボトルを加工して作る「オランジーナサーバー」3が主流だった。

オランジーナボトルの角度が絶妙で、他のペットボトルや公式マガジンと比べでも別次元の詰まりにくさを誇っていたため、対戦ガチ勢で好む人は多かった。
サーバー開発勢が現れた今4でも、入手性がよく加工が簡単なので普通に現役。
余談になるけど、ネット上で初めてオランジーナサーバーを取り上げたのは「かたかけぽしぇっと」のこの記事だと主張したい。見つけてくれたのは後輩の功績だけど。
そんなオランジーナサーバーの欠点の一つが、勢いよくビー玉を投げ込んだときに、運が悪いとサーバー内で球が回ってしまい、すぐに補充できない場合があること。

まれではあるけれど、素早い初動が求められる競技では致命的。
そこが前から気になっていたので、これを機に素早い捕球に特化したサーバーを設計してみた。
性能
仕組み

仕組みとしてはサーバー内にサイクロイド曲線を使用した凸を設けることで、周回した球を強制的に内側に送り込む構造。
本来サイクロイド曲線は停止状態の球を重力で最速で加速させるための曲線なので、すでに動いている球を効率良く方向変換す為の曲線では無いけれど、今回の用途では十分な性能を確保できた。
たったこれだけの凸だけど、CADを初めて最初にまじめに作った物5なので地味に苦戦。
最終的に凸部分を別パーツとして作ってモデル上でくっつけた。
実戦性能

サーバーをストリームコア(改)を装着したの連射機6に装着して実際に試験。
理想通り、サーバー内で球が暴れず素早く補充できるため、片手連射で常にビー玉を補充するスタイルとは相性はいい。当然早打ち競技でも便利。
手前味噌になるけど、「作られた時点では」最高クラスの性能のサーバーといっても過言ではなかったと思う。
欠点としては、あくまでも取り回し重視のショートサーバーなので、大量の連射はできないこと。
また、大量に球をいれるとオランジーナサーバーと同じぐらいにはジャムる。
さいごに
というわけでクイックドロウサーバーの紹介でした。
このサーバーなどを発端に理想的なサーバーの研究本格的な研究が始まり、電動サーバーやヘリカルサーバーなどの開発競争が盛んになったため、紹介しようと思っている間にとっくに過去の性能になってしまったというのは否定できない。
とはいえ、「1発目を発射できるようになるまでの時間」という点では今でも捨てがたいものがあるので機会があれば再度研究してみるのもありかもしれない。7
余談
ノーチラスポセイドンにつける
残念ながらノーチラスポセイドンにつけるとサーバーが斜めに付くため上手くビー玉が入らない。

角度を変える変換アダプタ的なパーツが必要。
べイブレードに応用
このサーバーの経験をベイブレードのスタジアムに転用したのが、以前「攻撃的なDBスタジアム」として紹介したもの。
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