先日完成したアクティブサスペンション+トレサスMSシャーシ。
これに使ったアクティブステアリングの方法が、
・ステアリングのタイヤ角度の微調整が容易
・大がかりな加工不要
と、今まで使ってたアクティブステアリングの問題点を解決でき、トレサスの有無にかかわらずアクティブステアリングを作るのに便利なのでまとめてみます。
せっかくなのでステアリングシステムについても振り返ってみる。
アクティブステアリング
ステアリングシステム
自分で言うのもなんだけど、写真が必要になったらすぐに未開封のストックが出てくる状況はおかしいかもしれない。
これはシャフトドライブ駆動のミニ四駆にステアリング機能をつけるというロマンあふれるパーツ。
数あるミニ四駆のパーツの中でも初めて聞いたときにそもそもどんな原理なのかが気になるパーツトップ3には入ると思う。
無加工で付けられるシャーシはTZとVSのみ。最近のMAやARに付ける時は加工が必須。
世間では「夢パーツ」の代表扱いをされており、普通のコースで付けているマシンを見かけることは多くない。
(大会に出たときに車検の人に物珍しがられた経験あり)
一説によると「ステアリングシステム購入者の大半は長いシャフト目当てで購入してるX系シャーシユーザー」だとか・・・(ステアリングシステム自体は余計な物扱い。こっちとしてはむしろそのランナーだけ欲しい。)
しかし、夢パーツだけあって、そのロマンに魅入られマイナスになる可能性が高いのに使おうと努力している人たちもチラホラいる模様。実際に会ってみたい。
ちなみに自らの経験だとVSシャーシにステアリングシステムを説明書どうりに付けただけだと抵抗が増大して逆に遅くなる。
特にノーマルモータのようなトルクの低いモーターだと顕著。(砂地なのでグリスを付けなかったせいでもあるけど)
逆に言えば、コーナーでの減速機能ともとらえられるので高難易度の立体では使い道があるかもしれない。
また、最近主流の滑りの良いタイヤを使うと滑ってしまい、ステアリングが何の意味もなさなくなるのはお約束。
余談だけどステアリングの猛者はステアリングシステム自体を自作するらしいけど、僕はまだその領域にたどり着けていない。そもそもレギュ内に収める方法が全く思いつかない。
アクティブなステアリング
素のステアリングの最大の問題点、それは意図したところ(コーナー)でステアリングが起きず、変なところでステアリングが発動してしまう事。
それの改善案の代表が、スライドダンパーと連動させてコーナーでスラダンが作動したときに動的にステアリングを動かす「アクティブステアリング」。
コーナーを最短距離で抜けられる可能性がある。
過去に撮った映像だと挙動はこんな感じ。
人によっていろいろ方法があるけど、リア用のFRPプレートを使ってスラダンと元々のオレンジのリンクパーツを繋ぐ方法が一般的。
実際使う場合、元々の穴を使わず丁路良い位置に穴をあけて固定したほうが動作が良くなる。
リンクパーツは柔らかいのでスラダンの動きを吸収されてしまい、きちんとステアリングが動作しないこともある。
そこで、FRPプレートを加工して固い(曲がらない)リンクパーツを作ると言う手も・・・
自分の以前の方法
ちなみに、この改造の一番の難点はホイールがきちんと進行方向に対してまっすぐ・左右のタイヤが平行になるように調整すること。
これがずれると常に抵抗になってしまったり、まっすぐ走らないなどの致命的な悪影響がある。
今回の改造
今回のステアリング改造のコンセプトは
左右それぞれ微調整できるリンクパーツにする事。
上にも書いたけど、きちんとまっすぐ走るようにステアリングの調整するのは本当は必須。
ただ、単にFRPを接着してリンクパーツを作る方法だと微調整がとても大変。右タイヤは良いけど左のタイヤが内向き過ぎるとかも起こってしまう。
左右別々に微調整できるように出来ると加工の精度が悪くても調整で補う事が出来るので、タイヤの角度調整が非常に楽になる。
ただし、今までのFRPプレートを使ってリンクパーツを作る方法だとこうはいかない。
また、なるべくシンプルに、メンテナンスの為に分解するとき楽なようにしたい。
改良型リンクパーツ
そこで考えたのがこれ。
キャップスクリューとアルミシャフトストッパーと六角マウントを使ったリンク!
原理としては簡単でキャップスクリュー2本と六角柱マウントを使って作ったバーをリンクパーツとして使っただけ。
スラダンの動力を伝えるFRPとリンクバーの接続にはアルミシャフトストッパーを使用。
リンクパーツのステアリングシステム接続部分は、FRPマルチ補強プレートに元々のリンクパーツの接続部分を接着剤で貼っただけ。
唯一の後々調整しにくい要素+不安点。
言い方変えれば接着による調整はここだけ。
ここの精度・修理だけを意識すればよい。
六角マウントで2つのキャップスクリューを繋いでいるのはキャップスクリューをリンクパーツとしてつながりを確保するため+長さを調整できるようにするため。
六角マウントは締め具合によって左右に動くので、ほとんど意味はないと思うけど左右の重量バランスの微調整に使えるかもしれない。
ビスではなくキャップスクリューなのは単に強度を上げるため。
この方法のメリットは
・左右のタイヤの角度の微調整がワッシャー1枚単位で出来る。
・ナットを調整することで、ある程度ステアリングが利き難くなるようにする(遊びをつくる)こともできる。
・リンクパーツの長さが調整できるのでトレッド幅が異なる別のシャーシへの移植も容易。
・FRPの複雑な切断接着加工不要。
・レギュレーション的に完全に真っ白。(FRPの垂直固定の為にプラリペアを使うのは、社外品のプラスチックで部品を造形しているともいえるのでグレー)
といったものがある。
今回はトレサスの可動域を考えてFRPの上にリンクパーツをつけたけど、本来は下に着けたほうが低重心化につながるしすっきりする。(FRPマルチ補強プレートの付け方が微妙に変わるけど)
このリンクパーツを使って組むとこんな感じ。
おまけ:アルミシャフトストッパー
アルミシャフトストッパーは90度ねじ止めパーツの位置をずらすのにも使える非常に便利なパーツ。
ただし、元々はシャフトを固定するために使う物なので、横のネジをきっちり締めると中に入った物をがっちりと固定してしまう。
逆に横のネジをしっかり締めないとアルミシャフトストッパー自体をしっかり固定できない。
なので、うまくやる必要がある。
FRPにシャフトストッパーを付ける場合、トラスビス+ロックナット+固定したいFRPプレート+アルミシャフトストッパーとするとしっかり固定出来て、中側のビスの動作も確保できるのでオススメ。
(今回は左右のブレ範囲調整+サスで上下移動対策のため中に入ってるキャップスクリューの動作を確保した。)
最後に
アクティブステアリングのリンクパーツについてでした。
アクティブステアリングを作る機会があったら試してみてください。
コメント
ステアリングシステム(オレンジのパーツ)のホイール部への加工を詳しく教えてはいただけませんか?
どーーーしてもちゃんと回ってくれず….
よろしくお願いします。
>笹原かおるさん
ステアリングの軸受(凹型のパーツ)の取付けは、凹部分のみを切り出して、シャフトにホイールをはめ込む押し具合で無理やり調整しています。
これだけだとステアリングの軸が回転してしまいますが、リンクパーツを付けることでステアリングの軸の角度をを固定できます。
「ステアリングシステムのホイールが回りにくい」ということであれば、「850ベアリング」を取り付けるだけでも結構マシになります。
ただ、ステアリングシステムがどうしても抵抗になってしまうので、「抵抗抜きしたマシンのように軽い力で弾いて長時間回る」というのは困難です・・・
参考になりました。ありがとうございます
ステアリングパーツの購入を検討してみます。