カードゲームは専門外と言っている自分だけど、ゲームボーイカラー時代の傑作
「トレード&バトル カードヒーロー」
に挑戦してみました。これはゲームだから専門。
とりあえず本編クリアまでやったけど無茶苦茶面白かったので感想を書いてみる。
一応ネタバレ注意。
クラブニンテンドーのポイントの使い道に困っているなら、この文章を読まずに今すぐ挑戦することをオススメしたい。(120ポイントでDL出来る)
入手経緯
今回の入手経路はちょっと特殊で
カードヒーローをDL出来ない程度にクラブニンテンドーのポイントが中途半端に余った(100ポイント)ので、ピクロスorニッキ―欲しい人をtwitterで募集。
↓
それを見た友人が欲しいと立候補。問題ないので普通にプレゼント。
その後の会話の中で
自分「そういえば、そっちもクラブニンテンドー入ってたよね?」
友人「入ってるよ。ポイントも使い道に困ってる。なんか欲しいのある?」
自分「カードヒーロー欲しい。」
といった非常にありがたい話ではあるけれど、ピクロスを自分のポイントでDLすればよかった気がするやり取りのすえ、カードヒーローを入手した。
ちなみに
クラブニンテンドーピクロス(80ポイント)
カードヒーロー(120ポイント)
なので結果的に友人から40ポイントほどもらった形になる。本当に感謝。
プレイスタイル
ほぼぶっ通し。
バーチャルコンソールの「まるごと保存」も卑怯だけど容赦なくフル活用。
まだ、プロルールというゲーム中最大のルールには挑戦していない。
ストーリーの感想(ネタバレなし)
いわゆる王道ホビーもの。
主人公がカードゲームに興味を持ち、カードを買いルールを覚え、友達、ライバル、敵たちと戦って成長していく。
無口なタイプとしては珍しく、主人公の独白が入る事があるのはかなり新鮮。
ポケモンのようにストーリーはチュートリアル、クリア後からが本番なタイプ。
ゲームルールの感想
詳しいルールは省略する(wikipediaとかに詳しく書いてある)。
簡潔に言えば
マスター+前衛2+後衛2の場があって、攻撃力・攻撃範囲・攻撃コストなどが個性的なモンスターを召喚して攻撃し、相手のマスターにダメージを与えてHPを0にした方が勝ち。
属性とか色とか複雑な概念は一切ない。
召喚や攻撃のコスト類もストーン1本(ターンはじめに3つ補充される、ダメージを受けたり、モンスターが倒されると1ずつ追加される)。
シンプルでかなりわかりやすい。
コンパクトながら非常にまとまっていて、カードゲームの本質をついている。
だかと言って単純なわけでは無い。
相手に攻撃されない様に如何に相手の場をかき乱すか等の戦略は非常に奥が深い。
何が凄いかってストーリー進行に合わせてルールが拡張されていくこと。
いきなりだったら複雑で難しく感じるルールも、ゆっくり拡張されていくことでとてもわかりやすく理解できる。
初めは各陣営1列(前衛)、手札2のみでチュートリアル戦。
終わったら正規の2列のルール→デッキ5枚(手札のみ)→15枚デッキ→20枚デッキ→シニアルール→プロルール。
とシナリオ進行によって、ちょっとずつ要素が増えていく。(ストーリー中はほとんど20枚ルール)
特に恐ろしいと思うのが、最近のゲームにありがちな「序盤は機能制限されててつまらない」ではなく、序盤は序盤で面白いこと。
むしろ、カードが増えてきて、どのカードを入れるか迷うタイミングでデッキ枚数が拡張されるタイミングは絶妙。
また登場するカードの種類も絶妙で、良く悪くも100種類程度。気がついたら覚えられる範囲。
デッキ構築
カードゲームで難しいのがバランスのとれたデッキ構築。カードゲーム初心者にとっては巨大すぎる壁。
でもこのゲームではある程度デッキのバランス(オススメ配分)を教えてくれる上に、デッキのバランス判定とアドバイス、さらには自動構築までしてくれる、お助けキャラ(タクミさん)がいる。
これで初心者でも安心。
もっとも、慣れてくるとコンボとか無関係にバランスしか見てくれないので無用の長物になるけど・・・
BGM
素晴らしきピコピコ音。
戦闘が長いので通常戦闘BGMは非常に長く聞くことになるけど、主張し過ぎず、空気になりすぎないなかなか絶妙な曲。
曲数は多くないけど「GBらしい名曲」ぞろい。
ストーリーの感想(ネタバレあり)
ここより先はネタバレを自重しないので注意。
このゲームには「クラマさん」という超お金持ちの老人でクラマクラブという同好会を立ち上げてくれた人が出てくる。
クラマクラブは入会料金とか一切なしで、メンバー同士で対戦して、勝てばメダルが何枚かもらえる。このメダルはマルヒゲ屋で1枚30円として使える。
簡潔に書くと、友達と玩具で対戦していたらお金がもらえて、そのお金で玩具を買い足すことが出来る環境。
ボーイズホビー好きな視点から見ると理想郷過ぎて羨ましすぎる。(環境提供出来る側、メンバー側どっちの視点でも)
クラマさんはストーリー中でおじいさんなのは語られるけど、ドット絵からはそうは見えない。
公式サイトを見て思った以上におじいさんで驚いた。
王道らしく悪の組織「ジョーカーズ」も出てくる。
でも、世界征服とかスケールが無駄に大きいものではなく、徹底的に主人公たちがカードゲームで遊ぶことを妨害するというもの。(例:買占め、主人公の悪いうわさを流すetc・・・)
特にラスボス戦が熱いなんてもんじゃない。
「負けたらカードを燃やす」という世界が滅亡するとかでは無い、比較的現実的なプレッシャー。
でも、だからといって危機感が無いわけではない。
良くも悪くも、ストーリー中でカードを入手する機会が少ない。
(理論上、1日1回のおこずかいがあるのでそろえることは不可能ではない。それでもストーリー上マルヒゲ屋に行けるタイミングは限られているけど)
だから、入手した思い出と共にカード1枚1枚への愛着がかなりある状態に対してこの悪行。
「こいつだけは倒す」という怒りの感情が主人公とシンクロすること間違いなし!!
気に入ったところ
ゲームバランスが本当に絶妙
勝つにしても、負けるにしても、圧勝と言うのがなかなか起こらない。
残り1ターンの僅差で決着が付く。
戦闘中も一回の判断ミスで有利と不利がガラッと入れ替わる。
最後まで緊張感ある。
「スーパーカード」という召喚が大変だけど強いカードもある。それを召喚できれば有利にはなるけれど、次のターンまでは倒されて逆にピンチになっているなんて事もザラ。
本当にいいゲームバランス
負けた場合のイベントが超豊富
ストーリー中、負けたときのイベントパターンが無駄に多いところ。
バーチャルコンソールのまるごと保存機能を使って見たくなるレベル。
夢堕ちや、「俺は強いから何度やっても負けない」と何度も対戦を受け付けてくれる優しい悪の組織。
挙句の果てにデッキを燃やされたら、仲間たちが今のデッキに含まれていたカードと同じカードを持って駆けつけてくれると言う展開まである。(ついでに敵と同じデッキ、敵に対してメタったデッキも用意してくれる)
レア化、環境の変化を表現
ストーリー中は入手し放題な雑魚カード「マナトット」。
かなり弱いし、ストーリー中は只でさえカード入手の機会が限られているので、完全にハズレ扱い。まるごと保存を駆使して別のパックを引き直すくらい。
ところがマナトットはクリア後はパックでの入手が不可能になる。
でもクリア後は、超強力なカードへの融合素材として非常に需要が上がる。
(※3枚のカードを融合して1枚のカードを生み出すブレンドくんという物が使えるようになる。)
生産終了や後のカードとの思わぬコンボによって、カードの相場が跳ね上がるというカードゲームの真髄も体験できる。
不満点(ネタバレあり)
先行の方が有利
先行の方が有利なゲームバランスになっている。(後攻でも勝てるけど)
これはこれでうまく使っていて、敵(悪の組織)などは自分が後攻固定でプレイする。
おかげで強敵感を嫌と言うほど感じられる。
更に、本編の大会のような正式な戦いは
ジャンケンで先行を決める→1戦目→先攻後攻を入れ替えて2戦目
→決着がつかない場合ジャンケンで順番決めて3戦目
と言う順番。これはこれで平等。なのでそこまで不満でもない。
CPUの思考が遅い
良く聞く不満点である「CPUの思考が遅い」。
まだプロルール(デッキ30枚、ライフ10)をやってないからだけかもしれないけれど、よく言われているCPUの遅さはそこまで気にならなかった。
むしろ、これほどしっかりしたロジック(隙あらば本気で殺しにかかってくる)で、ハードがGBという事を考えると凄すぎるレベル。
といっても時間がかかるのは事実なので暇つぶしを併用したほうが良いかもしれない。
ストーリー中カード入手機会が少なすぎる
ストーリー中はカードの入手タイミングが本当に少ない。
終盤でも、一部は差し替えたけど、ほとんどのカードが初期から同じと言うこともザラ。
もっとも、おこずかいで購入が制限されている子供感がでているし、少ないからこそ余計に”そのカード”への愛着がわくから、負けたら燃やされるラスボス戦が燃えるのも事実。
でも、個人的にはもう少し自由ににデッキが組みたかった・・・
クリア後は自由に買ってデッキを組める。
その資金の為に、ラスボス戦を乗り切った相棒を売るのも定番・・・
一部のBGMが1度しか聞けない
ボス敵のほとんどは専用BGM持ち。
でも、流れるのはその1戦のみ。クリア後に聞く機会はない。
個人的にトトリデ戦の曲がツボにはまりまくりでかなり気に入ったので、一度しか聞けないのが寂しい。
バーチャルコンソールなので通信対戦が出来ない
文字通り。対人戦が出来ないのが最大の不満点。
ルールもシンプルだし、カード枚数も載せないといけない情報もそこまで多くないので、対人戦したいなら物理的なカード自体を自作しても良いかも。
最後に
というわけでカードヒーローでした。
カードの入手から対戦までトレーディングカードゲームの面白さがギュッと詰まった作品なので、
カードゲームが好きな人
カードゲームに興味がある人
カードゲームにお金をつぎ込めない人
に本当にオススメです。
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