2年ほど前に公開した「∞マガジンシステム」。

実際作って運用して判明した欠点を改善して大幅アップデートしてみました。
名前の由来は依然と同じく、実際にマガジンとして本体に取り付ける部品ではないので「マガジンシステム」。
「∞」ではなく「無限」にしたのは2年間「無限マガジン」としか呼ばなかったから1。
入口と出口をレールでつなげば無限ループが楽しめるのは健在。
動画
今回は動きがあったほうがわかりやすい内容なので久々に動画を作成。
youtube版
ニコニコ動画版
久々にニコニコ動画を見たらhttps対応していた2ので、ニコニコのプレイヤー版も張付。(内容は同じ)
以前の欠点
動画で簡素に説明したけど、より詳しく。
結局のところ問題点は「安定性が低い」「収納性が悪い」「操作性が悪い」の3点に集約される。
「使いにくいから使う機会が無い3」を地で行ってしまっていたところが正直あった。
前作のエレベータ部分はタミヤの楽しい工作シリーズの「32mm径 スプロケット&クローラーセット」にスポンジゴムを接着して爪を作り、その爪でビー玉をかき上げる方式。
クローラーがビー玉の攪拌機能も兼ねる仕組みなので、ある程度の量のビー玉までは問題なく機能するけれど、あまりにも多くのビー玉を入れると爪が引っかかってしまい、マガジンが止まってしまう弱点が発覚。
マガジンにビー玉を渡す部分も、せっかくエレベータで弾詰りなく持ち上げたビー玉がそこで詰まってしまう。
収納性も収納モードに変形するという構想は悪くなかったと思うけれど、きちんとした箱型にならないので、実際問題おさまりが悪い。それに固定もないので、運搬時にバラバラになる恐れもある。
また、全体的に接続に両面テープ、ホットボンドを使った固定が多かった4ので時間経過で剥がれてしまった部分も少なくなかった。
ボタンを押してスタートしたら動きっぱなしというのも、実戦で使おうとすると不便。
トラブルが発生した時にすぐに止まれないのも致命的。
改善点・強化店
以前は雑に仕上げていた部分を中心に全体的に構造を改善した。
具体的には固定が甘かった所や少し取り付けが傾いていたけど気にしなかった箇所を根本的に改修。
プラスチック部品を木材に決まった角度で固定するために、プラスチックの曲げ加工も活用した。

巻き上げ性能の改善
今回の改造を始めた最大のきっかけがココ。
タミヤが長さ調整のしやすい新型のクローラー、楽しい工作シリーズ「連結式クローラー&スプロケットセット」を発売したから。
連結式クローラーは一つ一つ組み立てて繋げていく構造。
当然パーツ数も膨大。
一つ一つは簡単に組めるけど、とにかく数が多い。
手間がかかるだけあって以前のクローラーとは性能が別格。特に摩擦力。
このおかげで、摩擦力だけでの巻き上げが出来るようになった。
前と異なり爪がないので、攪拌力は維持しつつも、大量にビー玉を入れた時に引っかかるリスクは大幅軽減。
爪が来るタイミングじゃなくても常にかき上げが行われるのも、スピード、量ともにアドバンテージ。
また、連結式クローラーの構造上任意の位置で分解できるのは、整備の時にすごく楽。
長さの調整も一応は出来るけど、あくまでも1パーツ単位なので、思いのほかわずかな微調整には向かない5。
後述の収納に対応しつつより、安定させるために前作からビー玉一列分幅を狭くしたけれど、かき上げ性能が上がったので、供給力はそこまで変わっていない。
唯一の欠点は、機構の都合でクリアパーツにゴムスポンジを貼ったため、上がっていくビー玉が透けて見えなくなってしまったこと。
機会があれば透明の摩擦力のあるゴム材6を探してみるのも手かもしれない。
収納モード(完全体)
今回の工作で一番悩んで時間がかかった点が最適なケース探し。
マガジンとしての使用時は「ビー玉を補給するトレー」、収納時は「ケースそのもの」と非常に重要な部位。妥協はしたくない。
収納コーナーを中心に探し回り7、ダメもとで行ったスーパーのキッチンコーナーでついに見つけた「タッパー」を使用した。
前作から多少最大弾数は落ちてるけど、200発以上は余裕で入れられるので問題はない8。
収納方法は一度各パーツごとに分解して、うまく収める形。
今回、つまみ付きのボルトとナットを多用しているのは分解を容易にするため。
スロープの部品を裏返して、坂にならない向きでトレーに入れる。
スロープ部分はエレベータのキャタピラにかぶせておく。
あとは少しコツが必要だけど、トレーにエレベータを入れ、隙間に残ったパーツを入れれるだけ。
蓋をしたら収納モードに変形完了。
ビーダマンと大きさ比較するとこれくらい。
流石にビーダマンとの比較だと少し大きく感じる。
だけど、安定して積み重ねられるし、パーツが外れて紛失してしまう心配がない
収納、運搬ともに実用面では十分コンパクト。
結果論だけど、もともと食品を入れるタッパーなので防水性も高い。
レール部分
エレベータで持ち上げたビー玉を、実際にビーダマンのマガジンに渡す部分9。
ちょうどいいものが10が無くて悩んだけど、素直に自作してしまうのが一番早かった。
形状は詰まりようがないストレート。
仮に連射速度よりも供給が多くなってしまっても、レール部分に貯めておくことも出来る。
構造は収納性との兼ね合いも踏まえて、2分割のレールにした。
何個か開けた穴を使って任意の長さに固定する方式。
ビー玉が取り付けに使うビスに引っかからずスムーズに転がるようにガイドレールをつけた。
このレールをエレベータの裏にビスで取り付ける。
エレベータ部分から出てきたビー玉がレール内に確実に入るようにする「専用のガイドパーツ」も付けて準備OK。
こだわりポイントとして、レールパーツはエレベータの右左どちらにもつけられる構造にした。
利き手の都合等でビーダマンをマガジンの右側に置きたい場合、左側に置きたい場合のどちらにも対応できる。
自分専用ならあまり気にならないけど、他人に貸す場合は非常に重要な要素。
フットスイッチ
前回作った時点から構想はしていた「足でON/OFF出来るようにするスイッチ」をようやく搭載。
これで「スタートと同時に動作開始」「発射よりも給弾の方が多くなっているので減速したい」「ビーダマンにトラブルが起きたのですぐ止めたい」といった動作に対応できるようになった。
足で操作するスイッチを選んだのは、ビーダマンを両手で撃ちたいから。
スイッチはamazonで980円程度で購入。
amazonは相変わらず秋葉原で探すような品質度外視の変わったものは充実してる。
クローラー部分との接続にはイヤホンジャックを転用。
収納モード時にフットスイッチも入れたかったけど、残念ながらスペース的に無理だった。
今回入手したフットスイッチは速度調整はできず、ただON/OFFするのみ。
とはいえ、ルーター(工具)等で慣れているなら違和感なく使える。
使い勝手は良好。
残りの課題
ビー玉が詰まる
エレベータ上部にビー玉が残ってしまうことがある。
複数ビー玉が入れば自然に押し出されるし、そもそも大量のビー玉を装填するのが前提の装置なので数球くらいは気にならない。
運用上はそこまで問題ないけど改善案が浮かべば改善したい。
大電力モード対応
フットスイッチは長いケーブルが抵抗になってしまうので、ニッケル水素電池2本(2.4V)だとやや性能不足。
スピード、トルクともに本体のスイッチで捜査した時よりも性能が落ちてしまう。
その対策として、フットスイッチ使用時に追加バッテリーを付けられるようにするのもありかもしれない。
さらなる安定化
今のバージョンでも十分安定しているけど、動作の安定性が高くて困ることはない。
なにかいい手段が浮かんだら、もっと強化したい・・・
さいごに
以上、無限マガジンシステムVer2でした。
やはり猛連射は気持ちが良い。
自分で撃つのも楽しいけれど、玩具会で他の人が作った超連射機で使ってもらうのも協力プレイみたいで独特の面白さがある。
- ぶっちゃけ、動画を作る際に素で間違えたのが発端。[↩]
- このブログをSSL対応させて以来、httpのプレイヤーは貼っても表示されなかった。[↩]
- だから経験値も貯まらない。[↩]
- そもそも暫定的な固定だった。[↩]
- そこまでシビアな設計に問題があるような気がしなくもない。[↩]
- 主な候補はシリコン系。[↩]
- 1か月ほど行く先々の店で探した。[↩]
- 大抵の場合、その試合で使えるビー玉数の方が少ない。[↩]
- この部分は「ホースでつなげばいいのでは?」という意見は割と聞く。実際無限マガジンを作ろうと思った当初は自分もそのつもりで試行錯誤したけど、一般的なビニールホースだと「固くて取り回しが悪い」、「一度折れたら跡がついてそこでビー玉が詰まりやすい」という問題があるので没になった。[↩]
- 当初は「蓋」をうまく使えないか考えたけど、妙案が浮かばなかった。[↩]
- ブログでの紹介はボトルマン発売より後になってしまったけど。[↩]
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