未だに良く会話のネタになる、クロスファイトビーダマンのライバルキャラにして白龍使い
「白銀スバル」について、語ってみる。
先に書いておくと、個人的にスバルは正統派な意味でクロビで一番好きなキャラ。
好きじゃなかったら、今1になって、こんな長々と(6000文字以上)語らない。
理由は
・連射系
・ビーダー歴が非常に長い
と、親近感をおぼえる設定なのに加え、まさにライバルな立ち位置で憧れるキャラだったから。
一期(無印)
スバルさんが輝いていた時代。
前半
記念すべき1話目から正統派なライバルキャラとして登場。
西ブロックのチャンピオンとして、主人公カケルの目標的立ち位置として、
・基本的に出てくれば勝つ
・何かを知っているような素振り
・敵の企みにいち早く気がつく
等、圧倒的強キャラとして活躍していた。
26話でライバル対決の末、僅差でカケル相手に作中初敗北。
敗れたとはいえ、「ようやく主人公がスバルの強さに追いついた」という雰囲気なので、スバル自身の格落ちはほとんど無し。この時点で強いライバルキャラとしての役目は終えてしまったという意見も。
後半
その後のバサラ本格参戦あたりから、やや陰りが見え始めるも、それでも強描写を維持。
展開の都合上、敗北する(決勝戦に残らない)場合も、不戦敗で試合での敗北は無い。
「もし戦っていたとしたらスバルの勝ちだったな」と思わせる程度に格を維持。
その後、45話で流石にラスボスであるリュウジ相手にはかませになり、初披露の必殺技を受け完全敗北。
水落ちの後、ボロボロになりながらカケルに情報を伝え、医務室送り。
試合に負けたというよりは戦闘に敗れた的な印象が・・・
その後無事復活し、攻撃面サポート面で共に大活躍。
ドラゴルド復活に備えて、幼少のころからずっとドラヴァイスを使ってビーダマンのトレーニングをしていたことが明かされる。
描写見る限りだと少なくともビーダー歴5年以上。2
やりこんでた時間って意味じゃ現実世界の並みの大人ビーダーより長い・・・
結果的に4対1になる最終決戦にも当然参加。
努力(無数の連射)の果てに編み出した、パワーアップした超必殺技「神龍螺旋撃」を披露。
このシーンは彼の歴史を感じ、かっこいい。
最後の畳み掛けでは、主人公カケルの前座ではなく、主人公と同列の扱いで同時に必殺技を発動し、二人の協力技でドラゴルドにとどめを刺した。
対ドラゴルドとしての使命もきっちりと果たした。
この時点で「クロビーで一番強いキャラは?」と言う話になったら間違いなく、カケルと同等程度にスバルは候補に挙がっていた。
一期の時点では本当の意味で最後まで強キャラを貫き通し、子ども心に憧れを抱ける超良キャラだった。
二期(es)
スバルの受難はここから始まる。
序盤
前作主人公カケルを差し置き、esでも初期キャラとして登場。連射タイプ枠。
新主人公カモンがパワー+連射のデュアルタイプなので微妙に連射が被っている。
今にして思えばここで察しておくべきだったのかもしれない。
2話の時点では前作で強キャラとしての格を最高レベルまで積み重ねているのに加え、視聴者的には、
「クロスファイトでは「目」が無い(バイザータイプ)の機体は主役格ではない」ということが刷り込まれていた。
「四龍の1つである白龍+前作最強候補>目の無い(量産機っぽい)蜂+粋がってる小物タイプのキャラ」
という圧倒的な力関係が見えていたため
「ミツルやめろ、そいつにだけは挑んじゃいけない!」
みたいな雰囲気を維持していた。
初のミツル戦で当然のように勝ち、「強者が絶対なロードファイトを逆に利用できるキャラ」としての活躍が期待されていた。
ただ、「蜂ごとき瞬殺できない時点で何かがおかしい」という違和感に気がつく鋭い人もいた。
その後5話でコンバートバレルを装備してリベンジしてきたミツルにまさかの敗北。
ここからスバルはどんどん格が暴落していくことになる。
スバルファン的にはこの時の絶望感はかなりの物。
絶望と言っても
「クレストランドはスバルでも勝てない修羅の国」
という敵の強さを感じるものではなく
「え、スバルがこの程度のやつに負けるの?」
という著しい弱体化を嘆くものだった。
パーツによるパワーアップを期待しようにも、既にサイクロンマガジンを使用済みの為、更なる強化も見込めない。
敗北には怪我とかなんらかの納得できる理由があると信じたかった・・・
ビャクガ編
このシリーズのボスキャラである、四聖獣モデルの白虎使いであるビャクガ相手に完全にかませにされる。
「スバルが二回戦でやぶれた!」
そんな負けっぷりが板に付いて来た。
その後は一旦WBMA本部に戻っていたりしたこともあり、良くも悪くも特に目立った活躍は無い。
中盤
なんやかんやで強キャラなので、「大会に出でれば予選の中間報告のスコアは良い。しかし本選では勝てない。」という立ち位置で固定。
(前作ではあまり強い方ではなかった)シュモンも参戦し、連射タイプとして同じように扱われることも増えてくる。
東のBマスターを決める大会の準決勝のスバルVSシュモンVSカモンの3人対決ブレイクボールでは、先制点は取った物の、連射戦の末、ブラストアームのかませになり公式戦の場でカモン相手に初敗北。
余談になるが、スバルに勝ったから強キャラ的な扱いのミツルとビャクガは、それぞれスバルと同じく前作キャラのバサラとナオヤにフルボッコされる。
ついでに闇落ちしたカモンもカケルが試合の中で救ったうえで勝つ。3
真面目にスバルの立つ瀬が無い。
フェニックス編
デスシエル関連での活躍は特に無し。
連射でかませにされなかっただけマシ。
フェニックス探索では、カケルのコンビとしての役割はオウガに取られてしまい出番なし。
エージェントダーク関連でも、前作のような目立った活躍は無い。
フェニックスグランプリ
ここまでくると一種のいじめ。
予選
特に扱いが悪かったわけでもなく、当然のように予選を突破。
残念ながら、いつもの「予選はトップ通過」的な描画はもはや無し。4
ただ、「前作ラスボスのリュウジも参戦」という情報が入り「新型ドラゴルド参戦?」という噂が視聴者の中に流れた時、ネット上では
四龍+四聖獣+麒麟でピッタリ8枠5
↓
ドラゴルド参戦だと誰か一人ハブられる。
↓
当然のようにスバルさんが真っ先に候補に上がる。
という悲しい扱いにされていた。
結果的に、問題なく予選通過できたとはいえ、もはや前作最強候補の格は完全に失われていた・・・
補足:
リュウジは予選の途中から参加している。
予選は時間かけたほうが有利になる競技だったので、最初からリュウジが参加していた場合どうなっていたかは不明とまで言われている。
トーナメント
トーナメント1回戦の最終試合。
対戦相手は本作主人公のカモン。
メタ的な意味で既に負けは確定していたけど、
他の1回戦の試合展開が割と良い描写が多いのもあり、
「スバル最後の活躍の場」
「接戦して負ける。どこまでいい勝負になるか。」
「ガルバーンは連射もこなせる機体だから、作中最後の連射勝負が見れるかも」
と、かませの汚名の返上はできないとしても、名誉を挽回できる位の期待はされていた。
ところが実際に行われた試合は
『カケルはスバルと戦いたいだろうから、自分が勝っていいのか』と超上から目線の悩みでいまいち調子が上がらないカモン相手に、スバルは後1点で勝てる状態まで追いつめる。
↓
迷いを振り切り本気を出したカモンが逆転勝利。
という、点数だけ見れば接戦かもしれないけど、内容は本気を出したカモン相手に何もできずに完敗というかわいそうすぎる扱い。
ここまでするか。『カケルはスバルと戦いたいだろうから、自分が勝っていいのか』と超上から目線の悩みでいまいち調子が上がらないカモン相手に、スバルは後1点で勝てる状態まで追いつめる。
↓
迷いを振り切り本気を出したカモンが逆転勝利。が一体何をした!?
最後
並みのビーダーが目を回すカモンVSカケルの頂上決戦でも目を回さないでしっかりと観戦しているあたり、強キャラアピールは忘れない。
名有キャラの一人としてギルシオンの封印に協力するなど、活躍が無いわけではない。
エンディングでは、前作で和解した父親の肩に乗り(乗せられ)仲良くしている場面が映される。
ここだけはスバルファン唯一のesでの救い。
前作のぎくしゃくした親子関係を知っていると、普通に感動的な光景。
作中での扱いが悪くても、幸せそうで何より。
スバルのいい意味での子どもっぽさも垣間見れる。
esでのスバル弱体化の理由を考える
お話の都合で言えば単に、
・「なんやかんや言っても強キャラ」なので、新キャラの強さを描画するかませとして便利だった。
・初期に登場したので販促強化期間切れ。追加パーツも無い。
と言えばそれまでだけど、真面目にスバルが弱体化した理由を考えてみる。
①機体性能が悪い
ソニック=ドラヴァイスはWBMA製eチャージ1号機。
技術が煮詰まってないので性能が他のWBMA機に比べて低いのかもしれない。
(esドラゴン機の中で唯一、無チャージの威力が低い)
ただ、レブ=ドラヴァイスも同じく作中設定ではクロスファイトビーダマン1号機。
初期モデル=弱いと言いきれるわけではない。
玩具実機も初期モデルらしく、深刻な威力+強度不足を抱えており、後継機なのに最大連射性能以外は劣化している。
なので、レブ=ドラヴァイス使うのが上手い人にソニック=ドラヴァイスを渡した結果弱体化したというのは、割と現実に沿った描写なのかも。
マガジンも劣化(2023/10/9追記)
ビーダマンのマガジンについて研究する中で、「トルネードマガジン」より「サイクロンマガジン」の方が詰まりやすいことが判明。6
すなわち、本体もパーツも性能が落ちていた。
②機体との相性が悪い
レブ=ドラヴァイスは常に安定した力で撃てる機体。
両手でも片手でもほとんど変わらない威力で撃てる。
ソニック=ドラヴァイスはチャージしないと超低威力。チャージして初めて並みの威力。
片手撃ちでは低威力しか撃てない。
スバルは片手でトルネード/サイクロンマガジンを回し、もう片方の手で連射するスタイルなので、レブ=ドラヴァイスとの相性は良いけど、ソニック=ドラヴァイスとの相性は致命的に悪い。
③機体の慣れの問題
スバルさんはレブ=ドラヴァイス1台を何年も使い込んできた。
使い勝っ手が全く異なるソニックに乗り換えたから、今までのノウハウが生かせず弱体化したという説。
「一つの愛用の物に馴染みすぎて、他の物が上手く使えない」というのは、ビーダマンに限らず現実でも良くある。
ましてや、何年も1つの物を使い続けたのならなおさら。
④ロードファイトとの相性が悪い
無印のクロスファイトとesのバトルの最大の違い。
それはガントレットとバイザーの有無。
必殺技発動用途のガントレットはeチャージで代用できるとしても、距離などを正確に測れるバイザーを使う事が競技に組み込まれていたのは無印のみ。
「スバルは、バイザーで得られる情報を駆使するのが非常に上手く、強さに繋がっていた。
(実際無印1話などでバイザーを使いこなす描写アリ)
だからこそ、バイザーが使えないロードファイトで大幅な弱体化した。」と考えると割と辻褄が合う。
「道具に頼らないと弱い」というわけではなく、「道具を使う競技で真髄が発揮できる」タイプ。
スバルが分析キャラなのも踏まえると、個人的には最有力の仮説だと思っている。
⑤他の人に追いつかれた
スバルは最初からほとんど熟練しきっているキャラ。
他の人たちの成長に追いつかれてしまったのかもしれない。
実際、スバルが他の旧キャラに対して「腕を上げたな」と認めるシーンもある。
⑥今まで機体性能が良かったから勝っていただけ
機体性能一覧でも確認できるけど、無印ではドラゴン機のパラメータの合計値が14で、合計12の他の機体よりも2ほど高い。
es以降はギルシオン除くと全部15で同じ。
弱体化ではなく、最初から機体性能だけで勝っていただけ。
機体性能が平均化してビーダーの実力勝負になったから、勝てなくなった。
という一番スバルの救いのない仮説。
実際振り返ると、スバルは機体性能が下の相手に負けたこと、それどころか苦戦したことすら一度もない。
苦戦、あるいは負けた相手は同じかそれ以上。
悲しいことに根拠としては強い方・・・
⑦当初の目的を果たして満足してしまった
スバルの最初の使命は対ドラゴルド。
ドラゴルドを封印した後なので、内心気が抜けていたという希望的観測。
世界征服級のドラゴルドの脅威を解決した後だから、当初のロードファイトを問題に感じない気持ちもわからなくはない。
扱い良くするためには
尖兵として登場しない
「商品販促的に厳しい」「勝ちすぎると話が作りにくい」といった視点で考えると、先兵という立ち位置は、かませ確定のようなもの。
前作ライバルというポジションでも抗えなかった。
最終戦をもっとまともに
終わりよければすべてよし。
ここだけでもまともな描写されていれば、大分マシだったと思う。
終始本気のカモンと互角の戦いorせめて本調子のカモン相手に1点でも取ってくれれば・・・
個人的な理想を言うなら、素直にカケルと74話(無印26+es48)ぶりのライバル対決をしてくれた方が、同じ「組み合わせの時点で負ける確定の仕合」でもスバルの最終試合としては綺麗に閉まったんじゃないかと。
その場合バサラVSカモンになるけど、バサラさんは誰に負けたとしても「リュウドウ達を導いていくEND」でまとまるので問題ない。
「既にメテオボンバーの時にバサラVSカモンをやったから被らない様に」
という理由も推測できるけど、ナオヤVSビャクガも2回目7だし、スバルVSカモンも実質2回目8な上に、逆転負けというパターンも一緒。
「このあと因縁の兄弟対決&新旧主人公対決という目玉が控えているのに、ライバル戦をやってしまうとこっちがピークになりかねない」というのもあるのかも・・・
そのた
慕うキャラ
「カケル→リュウジ」「ナオヤ→ダイキ」「バサラ→リュウドウ」と他の4龍使いには慕うキャラが存在するのに、スバルだけはぼっち。これ以上キャラ増えても困るけど。
漫画版
アニメとあまり変わらない。というか一番アニメとの剥離が少ないお方。
リュウジとリョーマ、両方のラスボス相手にかませを経験。
とはいえ、作中で負けた相手は主人公2人とラスボス2人だけ。
なのでアニメよりは扱いが良い。
es編終盤でも、カケル・カモンと3人でフェニックス探索に遺跡に向かう程度には格を維持。
さいごに
「無印での強いスバルが好きだった」身としては、esでの扱いはやっぱり納得いかない。
とはいえ、単に強キャラのままだと「第二の主人公カケル」「活躍し過ぎなナオヤ」「ネタが異常に充実してたバサラ」という強烈なドラゴン使いの中に埋もれていた気がしなくもないので、ネタ化することで何とかいつまでも僕たちの心に残り続けるキャラになったと言われると否定はできない。
終始悪落ちとか一切ないのに、これほど作中での格が最高から下の方までブレて行ったキャラはわりと貴重。
esスバルが何とかネタとして楽しめるのは、やっぱり最後に「和解して親子仲良くしているシーンが映っていた」という良い結末があったからこそ。
もし、和解が無かったり、敵になっていたりしたら辛すぎて冗談でもネタ出来なかったと思う。
以上、「前作強キャラが下手に序盤からでしゃばるとろくな目に合わない」を見事に体現した白銀スバルについて語ってみました。
おまけ
一部、記憶+当時のスクリーンショットを頼りに書いているので間違っている所があるかも。
改めて思うけど、クロビのDVD(サントラ付)を販売してほしい・・・
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