公式展開は10年以上前に終了してしまっても、ビーダマンの競技が好きすぎて、今でも工夫してビー玉射出玩具の研究をして遊んでいる人たちがいる。
そんな生き残りたちが、持てる限りの技術力を全開放したくなり、第15回仙川ビーダマン会にて、久々に弾速以外無制限のエクストリームクラス1が開催されたので訪問してきました。記事にするまで半年以上空いてしまった・・・
前提
安全対策
今回は超性能機で撃ち合うエクストリームクラスの開催。
当然、弾速が出るので無対策では流石に危険。ビー玉の飛び散りも起こってしまう。
なので、壊れやすいものは近くに置かない等、まわりの安全に考慮しつつ、ゴーグル等で目を保護。
また、速度が速度なので対面競技は危険すぎるため自重。
そんな感じで安全に注意しつつ、自己責任で決行された。
そもそも仙川会って?
仙川で行われているビーダマン好きの定期交流イベント2。
雰囲気の詳細については以前のレポからどうぞ。
一見ハードルが高そうだけど、今回は珍しくエクストリームクラスを決行しただけで、競技を持ち寄ってビーダマンで遊ぶのは勿論、レンタル部門3の大会やクイズ大会等、本来は誰でも参加できて平和的に遊べるイベント。
とはいえ、本気で技術を駆使して開発された超性能の機体が、凄まじい弾幕を作りだ出すのは平和な交流とは別の面白さがあるのも事実。見ているだけでも楽しい。
エクストリームクラスって?
エクストリームクラスは
「機構制限一切なし。」
「球速30㎞/h以下なら何でもOK。」
という、機構4ごとのバランス調整のない、ある意味一番わかりやすい部門。
機体性能とビーダーの技術の粋を極めた、異次元の騒音と共に桁外れの点数の試合が展開される。
逆に言えば「球速30㎞/hで安定した高速連射が要求される」ので技術・体力的なハードルが高い。
あまりにも準備が大変なうえに過激すぎて滅多に開催されず、本格的なエクストリームクラスを開催するのは第1~2回仙川会で初めて開催した時5以来。約2年半ぶり。
余談になるけど、始まった当時は、球速30㎞/hで高速連射するのがここまで極限な世界とは思っておらず、気楽に考えられていた。
そのため、過酷さが露わになるにつれ「オープンクラス」→「エキスパートクラス」→「エクストリームクラス」と呼び名が変化してきた過去がある。
今回の競技
今回はヨッシーさん(@yamazin_4wd)が開発中の新型の競技台(ビーバトルステーション)を用いた2競技をメインで行った。
電動で左右に動く、4段階の威力判定機能付きの3つのターゲットはそのままに、CPUが強化されたことにより、より高度なルールに対応。
さらに画面が大きくなり点数が見やすくなった。
競技①:B-Shooting
仙川会名物にてビーバトルステーションの花形競技。
「時間が許す限り、とにかくパワーショットをターゲットに当て続けろ」というルール。
3つのターゲットどれに当てても有効だし、威力ごとに得点が変動(0~3点)する。
なので、体力と機体性能全てが要求される。
エクストリームクラスになると「常時3点出し続けてリロードの隙を如何に減らすか」という本当に極限な競技性になる。
あっやべ、決勝トーナメント云々言っときながらエクストリーム部門の予選動画を張ってた
— pico@火力ジャンキー (@pico_admiral) January 21, 2024
……まぁいっか!
んで、これはHit判定ディレイ無し+パワー判定アリのエクストリーム部門の定番競技「B-shooting」
ひたすら強ショットを連射し続ける、ある意味体力勝負な競技#ビーダマン#仙川ビーダマン会 pic.twitter.com/SI3CbUju5P
競技②:Speed King
今回初公開された新競技。
ランダムなタイミングで点灯するターゲットを素早く撃つ早打ち競技。
ビーダーの反射神経は勿論、威力そのものは不問だけど、パワーによる弾速も大事。
25回行い、平均時間が記録となる。
ぼちぼち決勝トーナメントの動画上げていきたい所存
— pico@火力ジャンキー (@pico_admiral) January 21, 2024
まずはレンタル部門決勝トーナメントからで、競技は今回初お披露目の「Speed King」
点灯された的を如何に早く撃ち抜くか。これを25回行い、平均時間で競うもの
正直、早撃ち25連続とか精神削れるんだわ#ビーダマン#仙川ビーダマン会 pic.twitter.com/GN5jytb0Jq
間違ったターゲットを撃つとペナルティタイムが加算されてしまう。
競技の特性上、連射性能がほぼ不要6で狙い撃ちが重視される。
動画で見ると地味に見えてしまうけど、やってる方としては精神を消耗する、メンタル的に過酷な競技だったりする。
エクストリームクラス観戦レポート
そんなわけでエクストリームクラスを観戦した7レポートを綴ってみる。
注目選手:みそ汁坊や選手
超性能の造機も気になるけれど、大会ということで、あえて機体ではなくプレイヤーに注目(当然、製作者でもある)。
今回、最有力優勝候補として注目したのは「みそ汁坊や(@ponkotupc)」選手」(以下「みそ選手」)。
注目した主な理由は、SNSに設計完了したモデルの絵を公開したり、前日に「進捗どうですか?」と煽る等、勝ちを確信している余裕のようなものを感じたから。8
なんとかなりそう…?#ビーダマン pic.twitter.com/ALZQnyw7Jv
— みそ汁坊や????????C王Ⅱ麺活部 (@ponkotupc) January 12, 2024
みそ選手の新兵器は「電動式」。
電子制御でモータを制御する複雑な見た目に目を奪われるけど、機構もすごい。
モーター射出にも関わらず、ほぼ無回転の球を連射できる「挟み込み式」の射出機構が搭載されている。
発射した球に回転がかかっていると、ターゲットに当たったビー玉が跳ねてしまうというのが電動の長年の悩みだったので、1モータ式でこれを解消したのは非常に画期的。
予選
まずは決勝トーナメントに出場する選手を4人に絞る。
予選で行った競技は「B-Shooting」と「Speed King」の2種。
競技の記録と勝利点で総合的に上位を判定した。
「Speed King」は連射は最低限9で精度が重視でされる競技なので、電動機は使わずに、「ヘリカルサーバー」「パワーイクストリガー」といった基本構成に研究中の超性能バレルを付けた機体を使用。
予選とはいえ真剣勝負なので、狙い撃つ表情は真剣そのもの。
安定の性能で当然のようにハイスコアを記録。
「B-Shooting」でも遠慮はない。
優勝候補にふさわしく圧倒的な性能の電動超連射機をついに投入。
幅がギリギリ過ぎて、向きを変えにくいという軽微な問題が発生したけど、そこは長年の経験値で即改造して対処。
電動機だと、最早ただの弾入れゲーと化すB-shooting
— pico@火力ジャンキー (@pico_admiral) January 21, 2024
Q.エクストリーム部門のSpeed King動画一本だけなの?
A.破損したホルパ取り替えてた#ビーダマン#仙川ビーダマン会 pic.twitter.com/UivLtnJ3z7
前評判に違わず、圧倒的スコアをたたき出して予選は通過。
しかし、ここでトラブルが発生。
マガジンの球を送るスターホイール機構を動かすためのギア部分に不調が発生。
一応、応急処置はしたけれど・・・?
決勝戦
決勝トーナメントに勝ち進んだのは
・今回の優勝候補、みそ選手
・3Dプリンターを使わなくても高性能なペンビー使い、リョウ選手(@Ryo_taisen)
・ビー玉射出に関わる全ジャンルが研究範囲、ハクジョウ選手(@HK_jyo)
・電動機と電動競技開発の第一人者、ヨッシー選手
の4人。
ちょうど電動機とスマッシュトリガーに2人づつに分かれた。
かろうじて「ペンビー」改造機と「ヘビーフレーム」搭載機2台のおかげで改造ビーダマンという体は保てている。
注目していたみそ選手は、応急処置した機体が決勝戦トーナメントで完全に破損してしまい、敗退してしまった。
これが電動機の難しい所。
それでも、試合は続いて決勝戦。
決勝カードは ハクジョウ選手 VS ヨッシー選手!
気しくも前回行われたエクストリームクラス(オープンクラス)決勝戦の再来。
2年半の経験値が注ぎ込まれて進化した「瞬間的最高性能を記録した電動機」と「機体効率を追求した人力スマッシュトリガー機」が再びぶつかり合う!
エクストリーム部門決勝戦
— pico@火力ジャンキー (@pico_admiral) January 21, 2024
競技はB-shooting
遂に電動が手動を制した伝説回!
負けはしたものの、ハクジョウさんのスコアも人間辞めてると思う#ビーダマン#仙川ビーダマン会 pic.twitter.com/JhCjV9CksE
激戦を制したのは
ヨッシー選手!
ついに電動機が優勝した歴史的瞬間。
一般的に筋力や体力が不要な電動機の方が人間への負荷は低いはずだけど、「力使ってないのに全身の疲労感がヤバいんだけど。姿勢をキープするために腹筋が疲れた。」とのこと。
インタビュー
優勝者インタビュー
今回優勝したヨッシー選手にインタビュー。
電動機とトラブル
優勝おめでとうございます。
今回の勝利について教えてください。
電動機は最初はトラブルを起こすものなのに、家では全力で撃てないので、全力を出した時の耐久性能を試す機会が無いのが実情です。
今日の大会見ていても思いましたけど、本気を出した電動機は騒音やビー玉の飛びちりが凄いですからね・・・。これを家で撃つのは危険すぎる。
そのため、大会に実戦投入するまで真の性能がわからないので、決勝でトラブルに見舞われてしまい致命傷になることも良くあります。
以前負けてしまった決勝の経験を踏まえ、ようやく最初に設計した機構のスペックフルを出すことが出来たのが今回の勝利につながりました。
電動機の今後
今後、電動ビー玉射出機に挑戦する人に一言お願いします。
ビー玉は意外と固いので、使っているうちにローラー等、本体側が磨耗します。
勝つためにはメンテナンスが必須だけど、電動機は複雑になりがちなので分解や部品交換が大変なのが現時点での電動機の欠点。
だから、今後電動機に挑戦する人がいたら整備性の良い「気軽に使える電動機を作る」ということにに挑戦してみて欲しいです。
みそ汁坊や選手インタビュー
これで勝ったと思うなよ!
動画で振り返るエクストリームクラス
久々のエクストリームクラスはインパクトがありすぎたため、自分以外の人も動画でまとめていたので紹介させていただく。
ナガデュークさん
フリューゲルさん
レンタル部門
エクストリーム開催という大イベントを行った第15回仙川ビーダマン会だけど、恒例のレンタルクラスも実施10。
エクストリームと比べるとおとなしく見えるけど、レンタル機体を使うので、競技に毎にどの機体を選定するかのがいいのか瞬時に判定しなきゃいけないため、ビーダマンに関する深い知識が問われるこれはこれで奥が深い部門。
今回の決勝トーナメントは上記「Speed King」で実施。
そのなな
— pico@火力ジャンキー (@pico_admiral) January 21, 2024
中盤のあの変な光り方さえ無ければ……_(:3」∠)_
いや、そもそも間違った的を撃っていなければ良かったんや#ビーダマン#仙川ビーダマン会 pic.twitter.com/GJSiShbBMo
やっぱり動画だと地味に見えるけど、選手にとっては本当に熾烈なトーナメントを勝ち抜き優勝したのは・・・
シュトルム・パンツァー選手(@STURM_PANZER)。
優勝おめでとうございます!
勝利秘訣について聞いたところ「運がよかった」と謙遜した回答をいただけた。
さいごに
というわけで久々に開催したエクストリームなビーダマンを使ったら大会のレポートでした。
・もっと高性能な機体で無双してやるぜ
・機体作るのは難しそうだけどテクニックは自信あるからレンタルしたエクストリーム機で暴れたい
という特異な方がいたら仙川でお待ちしています。
また、
・エクストリームクラスに参戦する自信ないけど、スタンダードクラスやレンタルクラスなら楽そうだから参加したい。
・とにかくビーダマンが撃てる会に参加したい
という方も勿論、仙川・川崎にてお待ちしています。
- 「エクストリーム部門」とも呼ぶ。[↩]
- 2か月に1回ペース[↩]
- 持ち寄った貸出機体のみを使う部門。[↩]
- 具体的には「スマッシュ」と「電動」[↩]
- 当時は「オープンクラス」、「エキスパートクラス」名義。「エクストリームクラス」という名称になってからは今回が初。[↩]
- 最低限のリロードで済むように30球程度の連射はしたい。[↩]
- 自分もスタンダード部門レベルの愛機で記念参加したけれど、いい成績は出せなかった・・・[↩]
- 実際のところ「顔出しOK」してくれたというのが一番大きい。[↩]
- 最低限といってもヘリカルサーバーのおかげで30球程度はジャムらず連射できる。[↩]
- 厳密にはエクストリームクラスの前に実施[↩]
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