フリックス「超自然!オカルトアソート」

おもちゃ(フリックスアレイ)電子工作
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対戦競技としてのフリックス1をしていると、ふと思う。

勝負は時の運。

パワーやテクニック、機体性能も大事なのは当然だけれど、それだけでは勝てない。運が絡んでくる部分があることも事実。

実際、アスリートや勝負士の中には独自の開運ルーチン・験担ぎにこだわる人もいるとう話も聞く。

そんなわけで、たまには趣旨を変えてこんな機体を作ってみました2

~超自然!オカルトアソート~

古今東西のあらゆるオカルト、そして疑似・似非科学ネタを盛り込んで祈りを込めながら作成したフリックス。
オカルトと言っても、なるべく呪いな物(マイナス、ネガティブ)は取り入れず、開運アイテム的なプラス・ポジティブな要素をありったけ集めた
(不幸を呼び込みそうなものをわざわざ作って所持したくない。)

その数30以上3

ある種の「開運祈願」のお守りのような機体
お守りは自分で作るもの。

作るきっかけとなったのは上記の通り、試合に勝ちたい「必勝祈願」ではあったけれど、込めた願いとしてはもう一つの願いである「豊作祈願」のほうが強いかもしれない。

 

構想を開始したのは2017年9月末
旅行先で乗った電車で隣に座った人が、電車の中でスマホの画面に向かってベンデュラムを垂らして占っていたのを見てフリックスに転用しようと思ったのがきっかけ。
(正直、電車の中でペンヂュラムをやると電車の揺れの影響が大きすぎると思う。実際、ペンデュラムの動きはつり革の動きとほぼ連動していた。)

とりあえず、ダウジング繋がりでロッドも搭載&ピラミッド型にするというところまではすぐに思いつき、ダウジングロッドを曲げるまでやったところで、そのまま放置。
それ以来、「すぐに作るわけではないけれど、いつかは作りたい枠」としてずっと燻ってはいた。

そんな中、たまたま2019年の夏コミ4田園設計局さん「ぁゃιぃ似非科学グッズ自作本 シューマン共振発生器&テラヘルツ・ジェネレータ」という似非科学グッズの解析・工作本を入手。

それを読んで『フリックスに使えそう』『せっかくだから保留中のダウジング機と合わせて「オカルト&似非科学」機としてまとめる』と考えがまとまり、ようやく形にしたのがこの機体。

名前は「オカルト+アソート」でわかりやすさ重視。
オカルト盛り合わせ。そのまま。
古今東西のオカルトネタを盛り込んでる感を出したくて、超自然とオカルトで重言。

機体スペック

機体スペック

まずはフリックとしての物理的な性能
追加武装やウエイトによる重量調整、使用電池によって多少変わってくるけれど、重量は50g弱。(約47g)
全長と全幅は8.5cm。(一辺が3.5cmの八角形)
高さは5cm

全幅と高さはフリックスのレギュレーションギリギリ

ボデイ分割&シュートポイント

ボディは「ベース」「カバー」に分割可能。
塗装の剥がれが嫌なので、全体を透明プラでカバーする構造にした

シュートポイントは「ノーマル」
機体に付けたときに正八角形になるように寸法を調整

 

シャーシ

「シューマン共振発生器&テラヘルツ・ジェネレータ」シャーシ

本を参考に真似して作った似非科学
健康に良さそうな2つの要素+αを搭載した電子工作ギミックを搭載。
詳細は詳細解説にて。

使用ベースは電子回路を仕込むため「ノーマルベース」5

シャーシ前方にトロイダルコイルが付いているので「底から見たシャーシのシルエットを変えてはいけない」6というフリックスのルールに違反しているように思えるけれど、問題無いように分割式で設計

トロイダルコイルは取り外し式。

なので、トロイダルコイル部分は厳密にはシャーシではなくボディ扱い
物理的にはシャーシを他のボディに取り付ける事自体は出来るけど、トロイダルコイル部分が無いと電源が入らない構造なので事実上の専用シャーシ&ボディ

ここまでがボディ。

取り付け方法は、フリックス「ライジングホッパープログライズキー」でも使用した「丸ピンIC用ソケットをコネクタとして使う方法」を再度使用した。

この手法は性能、作りやすさ、入手性、コスパと全てにおいて優秀。

ネタ的には良くても、内蔵されているだけじゃビジュアル的に面白さが無いし気が付いてもらえない。
なので、透明パーツを合わせて、外からでも機体前面にトロイダルコイルがあることをしっかりとアピールするデザインにした

機体前方で存在感を放つトロイダルコイル。

加えて、シューマン共振発生器の動作確認用LEDテラヘルツ・ジェネレータは外から見えるので発光ギミック機としても楽しめる

光る機体の一つ。

物理的なギミック

「ダウジングモード」

機体に内蔵しているダウジングロットを機体前方に取付けることで、「ダウジングモード」に変形。
マインヒット性能が上がる


 

ダウジングモード

ただ、マインの背よりもダウジングロッドのほうが高い位置にあるので、現実問題使い所が難しい。

寸法のレギュレーション+見た目のこだわり的で、ロッドは使われないとき機体に内蔵される
「内蔵したロッドをどうやって取り出すか」が今回地味に一番悩んだところ。
ピラミッド部分をカバー(蓋)にすることで実現した。

ロッドを入れていない状態。

ロッドを片方収納。

「ペンデュラムダンパー」

冒頭に書いたように、ペンデュラム=糸で吊った重りを搭載。衝撃を軽減するダンパーとして機能する

当初はもっと大きくて重いものを使う予定だったが、物理的に入らなかったので現在の形になった。

機体中央で宙吊りのため、全方位からの衝撃をカバー

「トルマリンダンパー」

右側(写真奥)に3つ、左側(写真手前)に1つ搭載した例。

機体左右のポケットに、フリー可動のトルマリン(ウエイト)を搭載可能
コレにより簡易的なダンパーとして機能し、主に前後方向からの衝撃を軽減する。また、微妙に斜めになっているおかげで左右からの衝撃も多少はカバーできる

トルマリンフル装備。

3個まで入れることも可能。1個あたりの可動域は狭まるが重量調整として機能する

「オクタボディ」

「オカルトアソート」はいわゆるリベリオン型7に近い八角形形状
なので、形状自体は癖がなく万能で扱いやすい
対称的な形なので、相手に拘束されている状態でも8方向に向き変更が可能。(ピラミッド部分が拘束された場合は4方向)
地味に便利。

搭載したオカルト系のネタについて

解説が長くなりすぎたので、搭載したオカルト・疑似科学の詳細ネタはこちらに分割

オカルトアソート ~搭載ネタ解説~
前の記事で紹介したフリックス「超自然!オカルトアソート」 文量の都合で、搭載したオカルトネタの部分だけ抜き出し。 概要については前の記事を参照。 搭載オカルト一覧 機体に実装されているもの 詰めに詰め込んだオカルトネタのうち、まずは機体に実...

 

メイキング

今回も2DCAD8を使用。

今回はダウジングロッドの可動域や収納スペース等、干渉する部分が多かったので、予め念入りに設計した。

設計中。CADで作った図面を印刷して、色々書き込んで試行錯誤。

設計できたら、印刷した紙をプラ板に貼り付けてパーツを切り出し、組み上げるいつもの手法。

細い+曲面ありで一番加工が面倒なのに、一番数が必要なパーツ。

後はひたすらパーツ作り。

左右で6枚作る。

透明のカバーが付く前提で一回り小さく作った底の部分。

今回、ユニット単位の作成を試してみた。

ある程度の層ごとにユニット化しておいたパーツを重ねる。

ユニット自体の組み立ては接着剤で接着。
ユニット同士の固定は分解できるように、強力両面テープで貼り合わせ
これで強度とメンテナンス性の両立が出来るはず。

これらを合わせて出来上がり。

塗装前。

ピラミッド(カバー側)も同様に予め作った型紙に合わせて切り出して組み立てた

クリアABSなので、透明感を維持したまま接着するために「アクリサンデー」を使用した。

 

ダウジングロッドで真鍮棒を曲げる際は知人から専用工具を借りた

一見ただのペンチだけど・・・

挟む所が丸みを帯びている。

この工具で真鍮棒を挟めば、曲げたいところで曲げられる。

道具の力のおかげで、初めてでも簡単にきれいに加工できた。楽とは言え力は多少いる。

これで曲がった真鍮棒は完成。

人が持つにはちょうどいい大きさ。

このままだと長過ぎるのでミゼットカッター9でほしい長さで切り落とす。

後は切り口で怪我がしないように、角をヤスリで丸めれば10出来上がり

 

余談

パーソライズ広告

現在のweb広告は、検索履歴に基づいて適切な物を出すのが一般的。
なので、オカルトアソートを作るにあたってオカルトネタを調べまくってたせいで一時期パーソライズ広告に怪しい開運グッズが溢れていた
値段も目に入るので『自作しないで、それぞれの効能を定価で買っていたら結構な額になりそう』という邪な子も浮かんでしまう・・・

試作版シューマン共振発生器

ICの足にチップ部品を直付してコンパクトに作成。(100円はサイズ比較)

当初はこれでも十分だったけど、結局、無限回廊ギミックとの兼ね合いでスペースが足りなかったのでより小さく作り直した。

さいごに

ぶっちゃけたことを言ってしまえば、自分自身オカルトや疑似科学はほとんど信じていない11
試合の「運」部分がどうこういう極地も、まだその域までたどり着けていないというのが正直なところ。

それでも、複数のオカルト・疑似科学の効能同士を繋いで考えるのはコンボのようで爽快感があったし、知らない界隈を覗き見て情報を仕入れるのは新鮮な経験だった12

目的であった、オカルト・疑似科学ネタは30以上も盛り込むことが出来たし、電子回路的意味でも結構勉強になったので、作った事自体は大満足。

画力的意味ですぐには対応できなさそうだけど、御札系、魔法陣系のネタも増量したい。
(作ってわかった点もいくつもあるので、いっそ実践性能を強化するために、機会があれば一部を作り直したい気もする。)

以上、説明して初めてネタが分かるフリックスなので、予定していたよりも遥かに説明が長くなってしまったけど、「超自然!オカルトアソート」の紹介でした。

最後になったけど、
「豊作祈願」という願いが叶って、いろいろな人の手による、個性豊かな様々なフリックスがこれからも沢山見れることを祈るばかり。

 

変更履歴
2020/2/11 八角形なのに「ヘキサ(6)ボディ」になっていたので修正。なぜ間違えた。

  1. ユージンさん提唱の自作競技玩具「フリックス・アレイ」。詳細は公式を参照[]
  2. 完成したのは2019/12/14。[]
  3. これだけ盛り込むと、実は「一部の効能の相性が悪くてマイナス効果」という設定の部分があるかもしれないけれど、多少のマイナス程度なら、他の魔除け効果で打ち消せそう。一種の結界。[]
  4. フリックス「レイコンデンサー」を作って持ち込んだ時。[]
  5. 旧フリスクケース[]
  6. 要約[]
  7. フリックス用語:円盤系のボディのこと。[]
  8. DraftSightが有料になったので、実質最後のDraftSightで設計した機体。[]
  9. ニッパーの大きい版[]
  10. 100均ダイヤモンドやすりを使用。[]
  11. 文章からにじみ出てたと思う。[]
  12. 同時に、「人にはいるべき界隈があるのだな」と再認識。[]

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