前回の紹介の続きしたフリックス「ライジングホッパープログライズキ-」。
後半はそのメイキング編。
材料
基本的な材料は
・ノーマルベース(旧フリスクケース)
・SGプログライズキー(食玩版)
の2つ。
加えて電子回路の改造のために
・振動スイッチ
・小型スライドスイッチ
・ピンヘッダ
・コイン電池ホルダ
・マイクロスイッチ
を使用。
材料詳細
ノーマルベース(旧フリスクケース)
数あるフォーマット1からノーマルベースを選んだ理由は単純。
ワイドだと大きすぎてプログライズキー内に収めることが出来ない、オリジンだと小さすぎて回路が仕込めない。
そんな消去法でノーマルに決定。
ボディとシャーシ両方に仕掛けを組み込む場合、ノーマルのサイズ感は本当に優秀・・・
黄色ケース2を利用したのは、ライジングホッパープログライズキーの色に合わせて。
SGプログライズキー(食玩版)
食玩のプログライズキー。
500円くらいで購入可能。
SG版を使った理由はガチャポン版と異なり、分割ではなく設定上の形状に忠実なこと。
そして、DX版よりもSGの方が安いこと。
そもそもDX版ライジングホッパーの入手方法はDX飛電ゼロワンドライバー3を買うのみ。
そんな高価な物を改造に使うのはもったいない。
また、SG版はDX版から発光ギミックや一部のスイッチなどがオミットされている。
単純に見れば劣化廉価版ではあるけれど、フリックスに組み込む前提では重量や寸法を小さく出来るメリット。
必要な電池が少ないのも魅力。
(DXはLR44を3つ、SGはLR44を2つ使用する)
振動スイッチ
中に入っている金属球が動くことで振動や衝撃を検知するスイッチ。別名:傾斜スイッチ。
高度なセンサーが使われているわけではなく、ただ単に衝撃で接点が接触するだけの単純な構造。
秋月電子で100円。
少しでも衝撃に対する感度を上げるため、2組ある接点を並列で両方とも使用。
小型スライドスイッチ
切り替え用なので2接点の物を使用。
なるべく小型な物を選んだ。
ピンヘッダ
付け外しのためのコネクタとして使用。
使い方の詳細は前回の記事を参照。
コイン電池ホルダ
「振動を与えてもしっかり電池を保持する」というのはなにげに難しい。
ホルダの自作も考えたけど、市販のLR44用ホルダを使ったほうが遥かに性能が良いので、秋月電子で調達。
ただ、サイズの都合で、無加工では旧フリスクケース内に2つ横並びで入れることは出来ない。
なので、保持力を保ちつつ、金属パーツが分離してしまわない限界まで切り落として使用。
ちなみに今回のプログライズキー改造にあたって、当初は3Vリチウムコイン電池を使ってスペースを削る方針で作ってみたものの、リチウムコイン電池ではスピーカーを動かすパワーが足りず、残念ながら音は鳴らなかった4。
なので、スペース・重量は増えるけれど素直にLR44×2を使用した。
マイクロスイッチ
ボディ側のスイッチに取付ける用。
今回は別のマイクロスイッチを改めて用意したけれど、元々プログライズキーの基板に付いているものを転用してもOK。
食玩版簡易レポ&分解レポ
せっかくなので、簡単に食玩版の解説と分解レポ。
まずは正面から。
開封時点で中のシールが貼られていない以外は完成品。
分割等もなく、見た目だけならDX版と殆ど変わらない。
改造用素体としてはコスパは良さげ。
次に裏側&電池を入れる部分。
裏側にはガンバライジングと連動するためのバーコードのシールが貼られている。
電池の交換はドライバーで裏蓋を外す形。
スイッチ部分。
DX版では上部に人が押すためのスイッチがあり、側面には小さいスイッチが何個か並んでる。
変身ベルト等にセットしたときは、その小さいスイッチの押し方が変わることで鳴らす音声を切り替える仕様。
それに対してSG版は大きくなった側面のスイッチが1つ付いているだけ。コレ1つで人が操作するスイッチも玩具にセットしたときに押されるスイッチも兼ねている。
音声はスイッチを操作するたびに順番に鳴る形式。
(一定時間操作しないと再び1つ目の音から鳴る。)
なので、玩具にセットして遊ぶときは、鳴らした音声になるように予め操作しておく必要あり。
他にもオーサライズ機能なし、光らない等、簡略化されている。
いよいよキーの展開。
キー部分はプラスチックの弾性を生かした構造になっていて、最初だけ少し手応えがあるけど、中間部分はスーッと動き、動ききったらしっかりとロックされる。
意味もいなく開閉させるだけでも心地良さがある。
SG版は開封時点ではシールが貼られていない。
だから、中身がよく見える。
この時点では『スカスカだし改造は楽勝だろう。』
そう甘く見ていた・・・
ここより分解編。
ビスを外せば簡単に分解できる。
電池の蓋の中にあるビスも忘れずに。
下側を外せば基板とご対面。
基板にシルク印刷された「蝗虫」の文字。
おそらく何の音声がなる基板なのか区別するための表示。わかりやすい。
電気系の部分の取り出し。
部品を交換&追加をしていくけれど、この時点ですでに完成されている。
鳴らすためのスイッチとして基板上にマイクロスイッチが実装されている。基板さえ固定すればスイッチも必然的に固定される、非常にスマートな方法。
メイキング
前置きが長くなったけれど、いよいよ改造開始。
ボディ側
まずはボディ側。主にプラスチック工作的な改造。
プログライズキ-の下側とノーマルベースの高さはほとんど同じ。
なので、ベースのサイズに合わせてプログライズキーを切り取って・・・
ノーマルケースを入れて接着5すれば粗方完成と言っても過言ではない6。
下側が出来たら上側の黒いケースの加工。
まずはスイッチ部分の加工。
スイッチのバネが飛び出さないように、切ったプラを利用して屋根を作り、バネ受けをポケット状にする。
プログライズキ-の展開ギミック部分も大幅に改造。
もともとのロック機構はスペース的に切り除くしか無く、そのままは使えない。
ロックなしだとパタパタと自由に動いてしまい締まりがない。
そのため、代替のロック(ブレーキ)として、軸部分にテープを貼って太らせて、摩擦力で回りにくい構造にした。
スイッチと展開部分の加工が終わったら、次はケースを閉じるときに干渉する部分を全て削り落とす。
ついでに音の響きを良くするために、ノーマルベース部分の天井に穴を開けておく。
音声ギミックを考えず、外見を再現するだけで良ければこれで完成。
実際に閉じる→干渉部分があれば削る→また閉じる→・・・と、ひたすら繰り返し。無事ケースが閉じればOK。
続いて、今回はスイッチ部分を再び電気的に使えるようにするため、スイッチ部分にマイクロスイッチを追加。
(元々のスイッチは基板直付けのため、基板をシャーシ側に入れる今回は使えない。)
こだわったのは、元々のプログライズキ-のスイッチ部分でマイクロスイッチを押す方法。
材質的に接着ができないので、元々スイッチのモールドに、プラを詰めて埋めることで押すための爪を作成。
このスイッチにに合わせてマイクロスイッチを貼り付け。
最終的に下の写真のような配置にした。
写真だとバネの固定方法が見えてこないけど、予め黒い上側にポケット状のバネ受けを追加済みなので問題はない。
シャーシ側
シャーシ側はほとんど電子工作。
やることは
・電池ホルダを換装。
・元々のスイッチの取り外し
・基板からスライドスイッチに接続
・スライドスイッチの片方に衝撃スイッチを付ける
・もう片方にマイクロスイッチ接続用のソケットを付ける。
これらを空中配線で仮組みして、動作を確認したら・・・
これだけではあるけれど、シャーシ内のスペースはカツカツ。基板の余白を削ったり、電池ホルダを削ったりしてやっとギリギリ入れられる。
DX版を使っていたら内蔵しきれなかったと思う。
これらのボディとシャーシを合わせたら
フリックス
「ライジングホッパープログライズキー」
の出来上がり!!
おまけ:暫定完成Ver(ボツ版)
・スイッチは後方にマイクロスイッチを付けただけ。
・電池はテープで貼り付け。
のシンプル仕様。
当初はコレで満足していたけど、電池が外れやすいし、やはりシュート時に鳴らしたい。本家変身ベルトにもセットしたい。
というわけで、最終的に今の形にアップデートした。
まとめ&さいごに
仮面ライダーは瞬瞬必生。7
ネタの鮮度が大事なのに、作ってから記事にするまで大分時間が空いてしまったのは反省点。
(作ったのは11/3(暫定完成)と11/10(仕上げ)。)
今回の作り方は、ほとんど市販品の転用なので、完成品のデザインについては、ほとんど考える必要がない。
おかげでギミック部分に専念できて、実際比較的楽な方では合ったけど、やってみたら意外と難しいところもチラホラ・・・
(特に衝撃スイッチや電池ホルダーを詰め込むあたり)
それなりの経験値を得られる程度の程よい難易度。
今回得られたノウハウは今後の電動ギミックにも生かせそう。
というわけでプログライズキ-フリックスの紹介でした。
ライジングホッパー自体は今からだと入手が大変かもしれないけれど、プログライズキ-自体は今年度中なら、まだまだ入手は容易。
同じく『プログライズキ-フリックスが作りたい!』という方がいたら是非挑戦してみてください。
今ならSG限定版の通常のプログライズキー型のシャーニングホッパーorシャイニングアサルトホッパーとかも面白いかも。
ある意味この機体の上位互換が簡単に作れる・・・
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