「お前のほうが俺よりは実力は上。
だが、お前を倒すことはできる。」
「相棒と呼んでいる機体はぶつけ合うくせに、
いざ自分自身が傷つくとなると恐れるんだな?」
「最後まで立ってるほうが勝者なのさ!」
そんなセリフを言いつつ、物語の中盤辺りに数話だけ出てきそうな
プレイヤー自体にダイレクトアタックを仕掛けることを目的としている小悪党1が使ってそうなアウトロー風味の機体を作ってみた。
・・・はずだった。
KP-21 棒々鶏
概要
読みは素直に「バンバンジー」。
まだ完成していない機体や、もはや計画凍結している機体もあるけれど、一応自分のナンバリング的には21番目のフリックス。
自分が作ったフリックスも気がつけば20超え。
フリックスについてはユージンさんのところを参照。
棒々鶏の特徴は、相手と正面からぶつかった時に弾をかなりの勢いで発射すること。
その弾速は時に時速80km以上2!
もはや目で追うことすら困難。
スポンジ弾なので撃たれてもそこまで痛くはない(重要)けど、「当てたら撃たれる」という恐怖による抑止力はかなりのもの。
相手に全力でシュートさせないための機体。
冒頭のセリフにあるように、プレイヤーへのダイレクトアタックを仕掛ける形のギミックなので真面目に悪役チックな機体を目指して作ったはずだけど、完成系は結果的にかなりシュール寄りになってしまった気がしなくももない。
ロボットっぽい見た目でもあるので、どっちかというと「試せる技術があったら倫理観度外視で試さずにはいられないマッドな博士タイプの悪役」っぽくもある。
いろいろな方向から
まずはいろいろな方向から撮った写真で紹介。
手があることで妙に表情豊かな機体に仕上がっている。
そのせいで「映画泥棒」や「Undertaleのメタトン」っぽいと言われることも。
手を生かしたネタ的な写真は後述。
①斜めアングル
②正面
顔がないのに感情表現を感じるあたり、手というのは偉大なのかもしれない。
③側面
横から見た形状は、手とスライド(引っ張るところ)を除けば、ほとんど直方体。
④後ろ斜め
⑤弾発射後
弾を撃ち出した後。
弾の分の色が減るせいなのかよりまとまって入るけど、少々寂しく感じる。
射出ギミック詳細
構造
射出ギミック自体は、市販品のスポンジ弾を射出する銃玩具「エックスショット クールストライカー マイクロ」の発射機構をそっくり転用して、ボディの外にトリガーを延長しただけ。
スポンジ弾もXショットの付属品を少々加工しただけ。
本体側の構造は元々のXショットのトリガーをケース側に作ったトリガーで押し込むように配置。
あえて接着しないこの構造になった理由はシャーシとの兼ね合い(後述)。
ケース側のトリガーは強度重視で2mm厚のABS版で作成。
スポンジ弾は全長のレギュレーションを満たすため切り詰めた。
上:切り詰める前(無加工)
下:切り詰めた弾
もし切り詰めていない通常弾をセットした場合こんな感じになる。
角度調整機能とかは一切ない。
ただ正面を撃ち抜くのみ。
発射方法
スライドを引っ張ってコッキングすれば発射準備OK。
あとは、正面にあるトリガー部分が押し込まれると弾を発射する。
そのため実運用では「自分のシュートで相手機体に突撃しつつ相手プレイヤーに射撃」または「真正面から棒々鶏めがけてシュートして来た相手プレイヤーに射撃」の2択。
前者は戦術的なメリット皆無の完全な嫌がらせでしか無いので、基本的には後者のカウンタースタイルで相手にプレッシャー(抑止力)を与える嫌がらせで運用することになる。
実際弾速がかなり早いので、シュートのフォームが終わり切る前の手にカウンター気味に当たる。
痛くはないけれど、やられてみると結構ビビる。
相手に怪我させるわけではない3ので、一応レギュは満たしているけれど、ギミックがギミックなので、ネタをネタと理解できる人相手に、事前に承諾を得て使用するの推奨。
また、目に当たると危険なので、保護できるような眼鏡4もあったほうが良いかも。
機体紹介
機体をパーツ別に紹介。
パーツ組み換え自体は不可能ではない5けれど、ボディ内部にギミックを組み込んでいるため、シャーシの選択肢はほとんど皆無。
事実上、専用パーツの固定カスタム。
ボディ:棒々鶏
Xショットの「マイクロ」の輪郭を残した、射出機能内臓の銃型のボディ。
重量は62.6g(弾は除く)。
弾が0.8g。
手をうまく使うと攻撃範囲が広くなり、マインヒットが狙いやすくなる。
ポーズによっては相手の動揺を誘える可能性も・・・
アイアンサイト部分には、エアガン界隈で可視性を上げるためによく行われる改造を真似して、集光アクリル(ピンク)を贅沢に使用。
フリックスとしては無意味だけど、せっかくなので念入りにゼロイン調整済み。
なので命中精度は地味に良好だったりする。
シャーシ:棒々鶏用穴あきシャーシ
棒々鶏ボディに付けても射出ギミックと干渉しないように、穴を開けた専用シャーシを採用。
重量4.1g。
内部を使う関係上、内部空間が広い空間が広いワイドベースを使用した。
シャーシ自体には特にこれといったギミックは無い。
シュートポイントも未対応。
一応他のノーマルな機体にシャーシを取り付けることはできるけど、あえてやる意味はない。
ボディへの取り付け方法はこんな感じ。
ケース側のトリガーを前に移動させ、
隙間からシャーシを差し込む。
シャーシを有るべき位置にスライドさせ、
ケース側のトリガーを置くまで押し込む。
また、このシャーシの副次的な機能として、シャーシ裏からトリガーを直接操作できるので射撃玩具として遊ぶことも可能。
実際の性能
ぶっちゃけ全フリックスの中でも屈指の弱さ。
考えてみれば6当然の話。
フリックスのルールでは「射出される弾部分も機体の一部として扱う」。
そして「機体の一部でも場外すれば場外」。
なので、射出すればほぼ場外確定。
自分の攻撃で発射すれば自滅7、相手の攻撃を受けて撃ち出した弾が場外すれば当然フリップアウト8。
理論上、そしてコンセプト的にも、弾を相手に当てて、うまくフィールド上に残すようにすれば問題ない。
といっても、現実世界ではなかなかそうは行かない。
仮にフィールド上に弾を残すことに成功したとしても、弾は軽いので相手にとって絶好のカモという問題も…。
さらに言うと、抑止力やプレッシャー、恐怖感などとは無縁な全力で突撃してくる相手9には成すすべがないという欠点も。
「手」と特殊モード
手があるだけで非常に表情豊か。
様々な感情を表せる。
かかってきなさい(すしざんまい)
まずは強者感あふれるポーズ。俗称「すしざんまい」。
ゴールキーパー
真正面からの攻撃は受け止めてくれそうな構え。
実際は正面から突っ込んできたら弾を撃って迎撃するけど。
収納(レギュクリア)
手をコンパクトに畳んでレギュレーションを完全にクリアするための形態。
ルール上、試合最初のシュートのときはこのポーズ。
頭を抱える
手だけでもピンチを表現できる。
\やべぇ・・・/残りHPが少ない時に10。
ゴリアピ
スマブラシリーズ屈指のアオリ性能を誇るドンキーコングのアピール。
通称「ゴリアピ」だって可能。
\バウゥ/残念ながら、なんとも言えない表情までは表現できない。
特殊モード:ギミックロック
今までのポーズはあくまでも感情表現。
機構的な実用面では、手を使ってトリガーパーツを抑えて押し込めないようにすれば、ギミックのロックだって出来る。
こうすればコッキング状態で正面衝突しても弾は発射しない。
正面からパッと見だとわからないのでフェイントとしても使える(?)
『ギミック発動しないように抑えてます』って一生懸命な感じが伝わってきて可愛さすら感じてくる。
実は手を付けた時点では全く意図してなかくて、遊んでいて気がついた機能だったり・・・
特殊モード:オサンポモード
射出ギミックを真面目に使おうとしても実用性が低すぎるので、無理やり実用性を高めるために編み出したのが「オサンポモード」。
原理は単純。
弾に紐を付けて機体に繋いだだけ。
紐の長さはレギュレーション上のMAXである16cm。
紐のせいで直線射程距離は短くなるけれど、少しだけでも周りを薙ぎ払うような動きになるのでマインヒットの可能性は上がる。
流石にただ発射するだけよりは場外率は低いけど、結局場外に弾がが転がってしまうことも多い11。
結局の所、ガチ戦で使えるほどの実用性はない。
メイキング
見たとおりだけど、せっかくなので。
フェーズ1~発射機構~
主な材料はXショットのマイクロとフリスクケース (120%)。
小型ながらも、スポンジ弾を打ち出す銃玩具の中でも屈指の高威力で命中精度も高め。
仕組みもシンプルで扱いやすい。
この性能で500円台12で買えるのは破格。
フリスクケース(120%)は内部に空洞が必要だったから。
Xショットは一度分解して構造を確認。
機構を見たら、機構部分を残したままグリップ部分とトリガーを切り詰める。
トリガーは押し込む為にロックを押し上げる部分を残す必要あり。切り過ぎ注意。
あとはXショット部分が付くようにくり抜いたフリスクケースに接着してトリガーを押し込むパーツを調整してフェーズ1完成。
目指していた「悪役っぽいアウトローな機体」には一番近かった形態。
前々から『Xショット使えば比較的安価で楽に射撃機が作れそう』と考えていたのもあって、ベイサバに参加する前日「サバゲー勢に興味をもって貰えるきっかけになるのでは無いか?」という淡い期待とともに一晩で組み上げたのがこの段階。
当初はこれで完成のつもりだった…
フェーズ2~腕~
相模大野の「クリエイターズワン」で行われた工作会。
模型のジャンク部品を自由に使わせて頂けるので、ジャンクパーツを漁っている時13に良さげな手を見つけてしまい、結果的に出来上がってしまったのがこの段階。
手の正体はおそらくツインビー14。
残念ながらフェーズ2の写真は取り忘れてしまった。(ユージンさんのところに実戦の動画は残ってる)
フェーズ3~完全なレギュクリア&仕上げ~
フェーズ2の時点では厳密に高さを測ると2mmほどレギュレーションをオーバーしていた。
既存のアイアンサイト部分を削る方向では限界だったので、元々のアイアンサイト部分を完全に切り落として
ABS板と集光アクリルで作成。
これで完成!
名前
この機体でいちばん最後15まで悩んでいたのは実は名前。
純粋にカタカナでかっこいい系の名前16や、少し捻て剣っぽい名前17、あえてカオスな名前18等、結構悩んでたけど、「コレだ!」というものがなかなか見つからず難儀していた。
そんな中、ふと寝起きに思いついた「棒々鶏」がしっくり来たので決定。
・赤い鶏冠に白い体で、なんとなくカラーリングが鶏っぽい。
・反撃を恐れて全力でシュート出来ない相手に対する「チキン」というアオリ。
・弾を発射する銃型の機体なので発射の擬音語「バン!」。
・プレイヤーにダイレクトアタックを仕掛ける「BAN」されてもおかしくないコンセプト。
・オサンポモード時の紐で繋がれた姿が「バンジー」。
・よくわからない機体にはよくわからない名前を。だけど万人に通じる名前。
と思い付きの割にはかなりこの期待に似合う名前になったと思う。
まとめ・さいごに
というわけで、棒々鶏のロールアウトでした。
この機体を作ってわかったことは
・手があると表情付けが非常にしやすい。
・フリックスで射出ギミックは楽しいけど、活かすのは難しい。
・抑止力は効果がある。でも、問答無用で全力で突撃してくる相手には無力。
・プロレスで言う「ヒール」な立ち回りもやってみると悪くない。
・反撃ギミック持ちは他のシューティングトイ(ある程度弾の質量があるもの)19のターゲットとしても優秀。
・公園で遊んだ場合、飛んでいった弾を探すのが大変。
の6点。
現時点での総重量は約68g。
重量にまだ余裕があるので、オサンポモードの紐をゴム素材に変えたりするのもありかもしれない・・・
注釈
- 下手したら全員集合の大団円でも忘れられてる程度の立ち居位置。絶対に主人公に勝てるわけがない。[↩]
- 元となったXショット「マイクロ」の性能。フリックス「棒々鶏」で安定して発射できる弾速は時速60km強程度。それでも十分早い。[↩]
- 実際、尖ったままのプラスチックとかよりも遥かに安全。[↩]
- 普通の眼鏡でも十分。[↩]
- ボディとシャーシの分割が出来ないとレギュ違反。[↩]
- 考えるまでもない[↩]
- 1ダメージ食らう。[↩]
- 2ダメージ食らう[↩]
- いわゆる王道主人公タイプ。[↩]
- 戦闘面でこのポーズをするメリットは殆ど無いので諦める前提。[↩]
- 狭いフィールドだと顕著。16cmも離れるのだから妥当な話ではある。[↩]
- ポイント考えたら400円台[↩]
- 当初は『かっこよさげな既存のパーツを転用して、カッコイい機体を作ろう』と意気込んでいたはず・・・[↩]
- ピーエムオフィスエー製[↩]
- この記事の執筆は除く。[↩]
- ディターレンス、シューティングなど。[↩]
- ムラマサ、マサヨシなど。人名なのでこの機体のキャラっぽさには似合ってた。[↩]
- まさかの某カオスアニメのネタとかぶったのでボツというケースもあった。[↩]
- ビーダマン、アイアンボールなど[↩]
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