電子工作をするときに少し面倒なのがちょっとした動作確認用の時の電源の確保。
無論1.5Vや3Vなら乾電池を使えば良いし、5Vならモバイルバッテリーから引っ張れば良い話。
でも12Vや、24Vとなると用意が少々面倒。1
素直に安定化電源を買うのも手ではあるけれど
・安定化電源は重いし場所を取る。
・AC100Vだから外で使えない。
と便利のは間違いないけど、個人的な理想からすると物足りない。
そんなわけでUSBから電源をとって使える、持ち運び出来る可変電源を自作してみました。
「USB式安定化電源」といったほうがわかりやすいのかも知れないけれど、安定化電源ほど安定はしていない2ので、安定化電源とはあえて呼ばず「USB簡易可変電源」と名付けた。
使い方
使い方は簡単。
USB(モバイルバッテリー)に接続して電源スイッチをONすると上部のコネクタから電気の出力開始。
パネルに現在の電圧と電流が表示されるので真ん中のボリュームで使いたい電圧に合わるだけ。
よく使う1.2V~12V、24Vはもちろん、35Vまで出力可能。
最初は「ケーブルの抜き差しで電源ON/OFFすればいいや」と甘く考えていたけれど、実際使ってみると「ちょっと電気を止めたい」と言う時にケーブルを引っ張って抜かないといけない。すなわちON/OFFに両手必須。これが面倒だった。
なので、電源スイッチを追加して片手でON/OFF出来るようにしたけどこれが思いの外便利。
単なる電池と違って、出力を少しずつ上げてどこまで耐えられるか、どこで作動するかといった確認ができるのも便利3。
こだわりポイント
一般的な製品と同じ操作
出力ジャックの色と並び
電源入力はUSBコネクタ
電源スイッチの位置
コンパクトに
これはこれで使い勝手が良い。
メイキング
長くなったので別記事に分割。
使い勝手の検証
日常的に使う
モジュールの動作確認や、ちょっとLEDを光らせたい時、電池式の玩具を動かす時などそれなりに実戦で活用しているけど、今のところ全く問題なく便利に使えている。
パネルメータの正確さ
パネルメータの表示がどれほど正確なのかを確認するため、テスター(電圧計)や電流計を使って値が一致するかどうかを確認。
電圧
消費電流がほとんど増えないLED1つ点灯5でもほぼ合致。
ところが、負荷が大きいと最大1V弱ほど表示よりも実際の出力が下がってしまう模様。
10V以上の世界だと1V程度誤差だけど、1.5V、3Vの世界だと大きな差。
とはいえ、「表示されている電圧よりも実際に負荷に掛かる電圧は低い」。すなわち、表示されている値よりも過剰な電圧がかかって対象を破壊してしまうことは起こらないので、そこまで深刻に考える必要はない6。
回路的にほぼ同じところの電圧を測っているはずなのに値が違う原因は現時点では不明。
パネルメータとテスターの精度の差?
電流
こちらは負荷によらず電流計の値とほぼ合致。
わりと正確な模様。
さいごに
制作にかかった金額は3000円程度。
派手さが無い、正直地味なものではあるけれど、かなり実用的で今後の工作する時の手間を軽減出来るものが出来上がって、個人的にはには大満足。
自己責任になってしまうから大々的には勧めにくいけど、電気を使った工作好きにはとりあえず一つ作っておくことをオススメしておきたいほど。
当面新型を作る予定はないけれど、より効率化するために、「昇圧回路・降圧回路をそれぞれ付けてスイッチで切り替え式」を作っても楽しいかも知れない。
- 一応9V電池あるし、12V/24Vなら昇圧モジュールもあるけど個別に用意するのは面倒。[↩]
- 負荷による電圧の低下をフィードバックして電圧を一定にする機能が無い。[↩]
- LEDの明るさ、モータの回転速度等。実際「プロペラを付けたモーターに何V流せば飛び上がるか」を調べる時に重宝した。[↩]
- 一度差し込めばちょっとした衝撃くらいでは外れない。バナナプラグがない時もワニ口クリップを直接噛ませる使い方もOK。[↩]
- 本来はLEDにきちんと抵抗もつけたほうが良いんだろうけど、遊び目的なので気にせず直結。[↩]
- わずかでも下回っても即死みたいなシビアなIC部品でも使わない限り。もっともそういう部品を使うときはちゃんとした道具で気合を入れてやるけど。[↩]
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